残業代の計算方法【完全ガイド】
労働基準法に基づいた正しい計算方法を、誰でも理解できるように解説します
1. 残業代とは?法的根拠
残業代の定義
残業代(時間外労働手当)とは、法定労働時間を超えて働いた場合に支払われる割増賃金のことです。
法定労働時間
1日あたり
8時間
1週間あたり
40時間
出典:労働基準法第32条
法的根拠
労働基準法 第37条
「使用者が、労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」
罰則
残業代の未払いは労働基準法違反となり、以下の罰則が適用されます:
- • 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
- • 労働基準監督署による是正勧告
- • 悪質な場合は企業名の公表
2. 基本的な計算方法(3ステップ)
時給を算出
月給 ÷ 173時間
173時間 = 週40時間×52週÷12ヶ月
例:
¥300,000 ÷ 173h
= ¥1,734/時間
残業時給を算出
時給 × 1.25倍
25%の割増が法律で義務付け
例:
¥1,734 × 1.25
= ¥2,167/時間
残業代を算出
残業時給 × 時間
実際の残業時間をかける
例:
¥2,167 × 20時間
= ¥43,340
計算式まとめ
残業代 = (月給 ÷ 173) × 1.25 × 残業時間
この基本式さえ覚えれば、誰でも残業代を計算できます
3. 具体例で学ぶ(10パターン)
新卒社員の残業
時給: ¥220,000 ÷ 173h = ¥1,271/h
残業時給: ¥1,271 × 1.25 = ¥1,588/h
残業代: ¥23,820
中堅社員の標準的な残業
時給: ¥350,000 ÷ 173h = ¥2,023/h
残業時給: ¥2,023 × 1.25 = ¥2,528/h
残業代: ¥63,200
管理職候補の多めの残業
時給: ¥500,000 ÷ 173h = ¥2,890/h
残業時給: ¥2,890 × 1.25 = ¥3,612/h
残業代: ¥144,480
深夜残業あり(IT企業)
時給: ¥400,000 ÷ 173h = ¥2,312/h
通常: ¥2,312 × 1.25 × 20h = ¥57,800
深夜: ¥2,312 × 1.5 × 8h = ¥27,744
合計: ¥85,544
4. 割増率の種類
| 種類 | 条件 | 割増率 | 法的根拠 |
|---|---|---|---|
| 時間外労働 | 1日8時間または週40時間超 | 1.25倍 | 労基法37条1項 |
| 深夜労働 | 22時〜翌5時 | 1.5倍 | 労基法37条4項 |
| 休日労働 | 法定休日(週1日) | 1.35倍 | 労基法37条1項 |
| 60時間超 | 月60時間を超える部分 | 1.5倍 | 労基法37条1項 |
💡 重複する場合:深夜の時間外労働の場合、0.25(時間外)+ 0.25(深夜)= 0.5の割増となり、合計1.5倍になります。
5. よくある間違い
間違い
160時間で割る
月20日×8時間=160時間で計算してしまう
✓ 正しい
173時間(法定労働時間の月平均)で計算する
間違い
手当を含めない
基本給だけで計算し、役職手当などを除外
✓ 正しい
役職手当・資格手当なども含めて計算(通勤手当等は除く)
間違い
1.2倍で計算
20%増しと勘違いして1.2倍で計算
✓ 正しい
1.25倍(25%増し)が法定最低
間違い
固定残業代で終わり
固定残業代があれば追加支払い不要と思い込む
✓ 正しい
固定時間を超えたら差額を支払う必要がある
7. Excelでの計算方法
基本的なExcel式
セル配置:
C1に入力する式:
より詳細なExcel式(深夜・休日対応)
セル配置: