休日出勤の残業代計算

法定休日は1.35倍、法定外休日は1.25倍 -- 休日の種類で割増率が変わります。 正しい計算方法を4つの具体例で解説します。

法定休日 1.35倍法定外休日 1.25倍休日+深夜 1.6倍
休日出勤の割増率を間違えていませんか?
法定休日と法定外休日では割増率が0.1倍(10%)異なります。月給30万円・8時間勤務の場合、差額は約¥1,387にもなります。就業規則で法定休日がどの曜日か必ず確認しましょう。

法定休日 vs 法定外休日 -- 割増率の違い

労働基準法第35条・第37条に基づく割増賃金率

法定休日

労基法で義務付けられた休日

1.35倍

割増率 35%

  • *週1日または4週4日の付与義務
  • *多くの企業で日曜日を指定
  • *8時間超でも1.35倍のまま(加算なし)
  • *深夜(22時~5時)は+0.25で1.6倍

法定外休日(所定休日)

会社が独自に定めた休日

1.25倍

割増率 25%(時間外労働と同じ)

  • *会社が就業規則で定めた追加の休日
  • *典型的には土曜日や祝日
  • *時間外労働としてカウントされる
  • *月60時間超で1.5倍に引き上げ

重要な違い:法定休日の出勤は「休日労働」として1.35倍ですが、8時間を超えても時間外の0.25倍は加算されません。 一方、法定外休日の出勤は「時間外労働」として扱われ、1.25倍が適用されます。 法定外休日の労働時間は月60時間のカウントに含まれますが、法定休日の労働時間は含まれません。

休日出勤手当を計算する

📆 休日出勤手当シミュレーター

法定休日・所定休日を選んで計算

時間

あなたの休日出勤手当

¥18,728

時給換算

¥1,734

休日時給 1.35)

¥2,341

休日出勤の残業代 - 4つの計算例

1

事務職 - 日曜出勤

法定休日 1.35倍
月給¥350,000
出勤日日曜日(法定休日)
勤務時間9:00~18:00(8時間)

Step 1 時給を算出

¥350,000 / 173h = ¥2,023/h

Step 2 法定休日の割増時給

¥2,023 x 1.35 = ¥2,731/h

Step 3 休日出勤手当を計算

¥2,731 x 8h = ¥21,848

休日出勤手当

¥21,848

2

小売業 - 土曜出勤

法定外休日 1.25倍
月給¥300,000
出勤日土曜日(法定外休日)
勤務時間10:00~17:00(6時間、休憩1h)

Step 1 時給を算出

¥300,000 / 173h = ¥1,734/h

Step 2 法定外休日の割増時給

¥1,734 x 1.25 = ¥2,167/h

Step 3 休日出勤手当を計算

¥2,167 x 6h = ¥13,002

休日出勤手当

¥13,002

3

IT業 - 日曜+深夜

法定休日+深夜 1.6倍
月給¥400,000
出勤日日曜日(法定休日)
勤務時間13:00~24:00(10時間、休憩1h)
うち深夜22:00~24:00(2時間)

Step 1 時給を算出

¥400,000 / 173h = ¥2,312/h

Step 2 通常の休日時間(8h)

¥2,312 x 1.35 x 8h = ¥24,969

Step 3 深夜の休日時間(2h)

¥2,312 x 1.6 x 2h = ¥7,398

※ 1.6倍 = 休日割増1.35 + 深夜割増0.25

休日出勤手当(合計)

¥32,367

通常休日分 ¥24,969 + 深夜休日分 ¥7,398

4

製造業 - 祝日出勤

祝日(法定外休日扱い)
月給¥280,000
出勤日建国記念の日(祝日・水曜)
勤務時間8:00~17:00(8時間)
就業規則祝日は所定休日扱い

Step 1 時給を算出

¥280,000 / 173h = ¥1,618/h

Step 2 法定外休日の割増時給

¥1,618 x 1.25 = ¥2,022/h

Step 3 休日出勤手当を計算

¥2,022 x 8h = ¥16,176

※ 祝日は法律上の法定休日ではないため、就業規則に基づき1.25倍で計算

休日出勤手当

¥16,176

休日出勤の割増率一覧表

休日の種類 x 時間帯の組み合わせ別

労働の種類割増率内訳具体例(時給¥2,000の場合)
法定休日の出勤1.35倍基本給 1.0 + 休日割増 0.35¥2,700/h
法定外休日の出勤1.25倍基本給 1.0 + 時間外割増 0.25¥2,500/h
法定休日 + 深夜(22時~5時)1.6倍基本給 1.0 + 休日 0.35 + 深夜 0.25¥3,200/h
法定外休日 + 深夜(22時~5時)1.5倍基本給 1.0 + 時間外 0.25 + 深夜 0.25¥3,000/h
法定外休日 + 月60h超1.5倍基本給 1.0 + 時間外割増 0.5¥3,000/h
法定外休日 + 月60h超 + 深夜1.75倍基本給 1.0 + 時間外 0.5 + 深夜 0.25¥3,500/h

※ 月所定労働時間173時間で計算。法定休日の労働時間は月60時間のカウントに含まれません。

振替休日 vs 代休 -- 残業代への影響

似ているようで全く違う2つの制度。割増賃金への影響を正しく理解する

振替休日(ふりかえきゅうじつ)

定義:あらかじめ休日と労働日を入れ替える

タイミング:事前に指定(出勤日の前に通知)

1.出勤日の前に「日曜出勤→水曜休み」と指定
2.日曜は「労働日」、水曜が「休日」に変わる
3.休日労働にならないため割増賃金は不要

割増賃金:原則なし

※ 週40時間を超える場合は時間外割増(1.25倍)が必要

代休(だいきゅう)

定義:休日出勤した後に、別の日に休みを取る

タイミング:事後に取得(休日出勤の後に決定)

1.日曜に急な出勤が発生
2.後日、水曜を代休として取得
3.日曜の出勤は「休日労働」のまま→割増賃金が発生

割増賃金:法定休日1.35倍 / 法定外1.25倍

※ 代休を取得しても割増分(0.35倍/0.25倍)は支払い義務あり

比較項目振替休日代休
手続きのタイミング事前(出勤前に指定)事後(出勤後に取得)
休日労働の扱い休日労働にならない休日労働のまま
割増賃金原則なし必要(0.35倍 or 0.25倍)
会社にとってコスト削減になる割増賃金のコストが発生
企業が「振替休日」と言って「代休」扱いにしていないか注意
事前に休日を指定せず、休日出勤後に「振替休日」として処理するケースが見られます。 これは実質的に「代休」であり、割増賃金の支払い義務があります。 振替休日の要件(事前指定、就業規則への記載、4週4日の確保)を満たしていない場合は違法です。

休日出勤の残業代 - よくある質問

法定休日と法定外休日(所定休日)の違いは何ですか?

法定休日は労働基準法第35条で定められた「週1日または4週4日」の休日で、割増率は1.35倍です。一方、法定外休日(所定休日)は会社が独自に定めた休日(例:土曜日)で、割増率は1.25倍(通常の時間外労働と同じ)です。

例えば日曜が法定休日、土曜が法定外休日の会社で、土曜に出勤した場合は1.25倍、日曜に出勤した場合は1.35倍で計算します。就業規則で法定休日がどの曜日か確認することが重要です。

休日出勤で8時間を超えたらどうなりますか?

法定休日の場合、8時間を超えても割増率は1.35倍のままです。法定休日労働には「時間外労働」の概念が重ならないため、0.25倍の加算はありません。ただし、22時以降の深夜時間帯に入ると、深夜割増0.25倍が加算され1.6倍になります。

法定外休日の場合は通常の時間外労働として扱われるため、1週間の労働時間が40時間を超えていれば1.25倍が適用されます。

振替休日と代休の違いは?残業代への影響は?

振替休日は事前に休日と労働日を入れ替える制度で、元の休日に働いても「休日労働」にならないため割増賃金は発生しません(通常賃金のみ)。ただし週40時間を超える場合は時間外割増(1.25倍)が必要です。

代休は休日出勤した後に別の日に休む制度で、休日労働の事実は変わらないため割増賃金(1.35倍または1.25倍)の支払いが必要です。代休を取得しても割増分(0.35倍または0.25倍)は差し引けません。

祝日(国民の祝日)に出勤した場合の割増率は?

祝日は法律上の「法定休日」ではないため、自動的に1.35倍にはなりません。祝日の扱いは会社の就業規則によります。

祝日が会社の法定休日と重なる場合は1.35倍、法定外休日(所定休日)の場合は1.25倍、通常の労働日の場合は割増なし(ただし週40時間超なら1.25倍)となります。就業規則で祝日の扱いを必ず確認してください。

休日出勤を拒否することはできますか?

原則として、36協定(時間外・休日労働に関する労使協定)が締結されていなければ、会社は休日出勤を命じることができず、拒否できます。36協定がある場合でも、就業規則に休日出勤の規定がなければ拒否可能です。

ただし、36協定と就業規則の両方が整備されている場合は、正当な理由なく拒否すると業務命令違反になる可能性があります。体調不良や冠婚葬祭などの正当な理由がある場合は拒否できます。

月60時間を超える休日残業は割増率が上がりますか?

2023年4月から中小企業にも適用された月60時間超の割増率50%ですが、これは法定外休日の労働時間にのみ適用されます。法定外休日の出勤時間は時間外労働としてカウントされるため、月60時間を超えると1.5倍(深夜は1.75倍)になります。

一方、法定休日の労働時間は月60時間のカウントに含まれません。法定休日はあくまで1.35倍(深夜は1.6倍)で計算されます。

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免責事項

本ページは労働基準法に基づく一般的な休日出勤の割増賃金計算方法を解説する情報提供ページです。 計算例は月所定労働時間173時間(年間労働日数260日の場合)を前提としており、 実際の計算では企業ごとの所定労働時間、就業規則、法定休日の指定曜日、 変形労働時間制の適用有無などにより結果が異なる場合があります。

正確な休日出勤手当の計算については、就業規則と給与明細をご確認いただくか、 社会保険労務士または最寄りの労働基準監督署にご相談ください。