深夜残業代の計算方法

22時〜5時の深夜労働は割増賃金が発生します。深夜残業代を正しく計算して、未払いがないか確認しましょう。

22:00〜5:00が深夜帯時間外+深夜=1.5倍2026年最新の法令対応

深夜労働とは?

労働基準法第37条第4項に基づく深夜時間帯

深夜労働とは、午後10時(22:00)から午前5時(5:00)までの時間帯に行われる労働のことです。 この時間帯に働いた場合、雇用形態(正社員・パート・アルバイト)を問わず、通常の賃金に加えて25%の深夜割増賃金が発生します。 さらに所定労働時間を超えた時間外労働であれば、時間外割増25%も加算され、合計50%増(1.5倍)となります。

24時間タイムライン

深夜帯
早朝
通常勤務時間帯
夕方残業
深夜帯
0:005:008:0012:0018:0022:0024:00
深夜帯(+0.25倍)
通常時間帯
時間外のみ(+0.25倍)
深夜割増のポイント
深夜割増(0.25倍)は時間外・休日割増と重複して適用されます。 つまり、22時以降の残業は時間外割増0.25倍と深夜割増0.25倍の両方が加算され、基本時給の1.5倍が支払われます。 夜勤シフトなど所定労働時間内の深夜労働でも、深夜割増0.25倍は必ず発生します。

深夜労働の割増率一覧

深夜割増は他の割増と重複して適用されます

労働の種類割増率の内訳合計倍率時給2,000円の場合
深夜労働のみ
(所定時間内の夜勤)
1.0 + 深夜0.251.25倍¥2,500/h
時間外 + 深夜
(22時以降の残業)
1.0 + 時間外0.25 + 深夜0.251.5倍¥3,000/h
休日 + 深夜
(法定休日の深夜労働)
1.0 + 休日0.35 + 深夜0.251.6倍¥3,200/h
60h超 + 深夜
(月60時間超の深夜残業)
1.0 + 時間外0.5 + 深夜0.251.75倍¥3,500/h

※ 月60時間超の割増率50%は、2023年4月より中小企業にも適用されています(労働基準法第37条第1項ただし書き)

深夜残業代を計算する

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あなたの条件で計算してみましょう

時間
時間

あなたの深夜残業代

¥69,365

時給換算

¥1,734

深夜残業時給 (×1.5)

¥2,601

通常残業分 (×1.25)

¥43,353

深夜残業分 (×1.5)

¥26,012

173時間/月を基準に計算

深夜残業代の計算手順

1

基本時給を算出

計算式

月給 ÷ 173時間

例:¥300,000 ÷ 173 = ¥1,734/h

2

深夜残業時給を算出

計算式

基本時給 × 1.5倍

例:¥1,734 × 1.5 = ¥2,601/h

3

深夜残業代を算出

計算式

深夜残業時給 × 時間

例:¥2,601 × 20h = ¥52,020

業種別の深夜残業代 計算例

🏥

看護師の深夜残業

夜勤の多い医療職

月給¥280,000
深夜残業時間20時間/月
割増率1.5倍(時間外+深夜)

計算:

基本時給: ¥280,000 ÷ 173h = ¥1,618/h

深夜残業時給: ¥1,618 × 1.5 = ¥2,427/h

深夜残業代: ¥2,427 × 20h = ¥48,540

夜勤が多い看護師は深夜手当が大きな収入源。月20時間の深夜残業で約5万円の上乗せになります。

🏪

コンビニ深夜バイト

時給制のアルバイト

基本時給¥1,100
深夜労働時間15時間/月
割増率1.5倍(時間外+深夜)

計算:

基本時給: ¥1,100(最低賃金ベース)

深夜残業時給: ¥1,100 × 1.5 = ¥1,650/h

深夜分の給与: ¥1,650 × 15h = ¥24,750

時給制でも深夜割増は必須です。22時以降は通常時給¥1,100が¥1,650に上がります。

💻

ITエンジニアの残業

日中と深夜の混合残業

月給¥450,000
残業合計30時間/月
うち深夜帯10時間

計算:

基本時給: ¥450,000 ÷ 173h = ¥2,601/h

日中残業(20h): ¥2,601 × 1.25 × 20h = ¥65,020

深夜残業(10h): ¥2,601 × 1.5 × 10h = ¥39,020

残業代合計: ¥104,040

リリース前のデスマーチ時期は深夜残業が増えがち。日中と深夜で割増率が異なる点に注意しましょう。

🏭

工場の夜勤残業

交替制勤務の製造業

月給¥320,000
深夜残業時間25時間/月
割増率1.5倍(時間外+深夜)

計算:

基本時給: ¥320,000 ÷ 173h = ¥1,850/h

深夜残業時給: ¥1,850 × 1.5 = ¥2,775/h

深夜残業代: ¥2,775 × 25h = ¥69,375

24時間稼働の工場では深夜残業が常態化しやすいため、毎月の給与明細で深夜割増が正しく計算されているか確認が重要です。

業種別 深夜労働の実態

深夜労働が多い業種とその特徴

業種平均月給深夜残業の頻度月間深夜時間深夜手当目安
🏥 医療・看護¥300,000非常に多い20〜40h¥13,000〜¥26,000
🏭 製造業(交替制)¥320,000非常に多い25〜50h¥11,500〜¥23,000
🏪 コンビニ・小売¥220,000多い15〜30h¥4,700〜¥9,500
💻 IT・情報通信¥450,000やや多い10〜25h¥6,500〜¥16,250
🚚 運輸・物流¥300,000非常に多い30〜60h¥13,000〜¥26,000
🍔 飲食・外食¥260,000多い15〜35h¥5,600〜¥13,100
🛡️ 警備業¥250,000非常に多い40〜70h¥14,400〜¥25,200
🏨 ホテル・宿泊¥270,000多い20〜40h¥7,800〜¥15,600

業種別の傾向:

  • ・医療・製造・警備・運輸は深夜労働が構造的に多く、深夜手当の確認が特に重要
  • ・IT業界は納期前に深夜残業が急増するパターンが多い
  • ・飲食・ホテル業界は営業時間の関係で深夜帯に常時労働が発生
  • ・深夜手当は月給×0.25÷173×深夜時間で概算可能

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「毎月勤労統計調査」(2024年)を基に算出。深夜手当目安は深夜割増分(0.25倍加算)のみの概算値。

深夜残業代のよくある誤解

知らないと損する深夜割増のルール

誤解:夜勤シフトなら深夜手当は不要

最初から夜勤として採用されていても、22時〜5時の労働には深夜割増が必要です。

正解:シフト制でも深夜割増0.25倍は必ず発生します

誤解:管理職は深夜手当がつかない

管理監督者は時間外・休日割増が免除されますが、深夜割増は免除されません。

正解:管理監督者でも22時〜5時は0.25倍加算が必要です

誤解:固定残業代に深夜分も含まれる

固定残業代に深夜割増分が含まれるには、契約書に明記されている必要があります。

正解:明記がなければ深夜割増は別途支払い義務があります

誤解:パート・バイトは深夜手当なし

雇用形態に関係なく、すべての労働者に深夜割増が適用されます。

正解:アルバイトでも22時以降は時給×1.25倍(深夜割増分)

深夜手当が正しく支払われていない場合

深夜割増の未払いは労働基準法第37条違反です。まずは給与明細と勤怠記録を照合し、 深夜手当が正しく計算されているか確認しましょう。未払いが確認された場合は、 証拠を保管したうえで会社の人事部門または労働基準監督署に相談してください。

深夜残業代のよくある質問

深夜残業代の「深夜」とは何時から何時までですか?

労働基準法第37条第4項により、午後10時(22:00)から午前5時(5:00)までが深夜時間帯です。この7時間に労働した場合、通常の賃金に加えて0.25倍(25%)の深夜割増が発生します。なお、厚生労働大臣が認めた地域・期間では午後11時から午前6時とする特例もありますが、ほとんどの場合は22時〜5時が適用されます。

深夜残業代と通常の残業代はどう違いますか?

通常の残業(時間外労働)は1.25倍の割増ですが、深夜残業はさらに深夜割増0.25倍が加算され合計1.5倍になります。内訳は以下の通りです:

・通常残業(日中):基本時給 × 1.25倍
・深夜残業(22時〜5時):基本時給 × 1.5倍(時間外0.25 + 深夜0.25 + 基本1.0)

つまり、同じ1時間の残業でも深夜帯は日中より20%多くもらえます。

夜勤の場合、深夜手当はつきますか?

はい、夜勤でも22時〜5時の間は深夜割増が必要です。たとえシフト制で最初から夜勤として雇用されていても、深夜割増の支払い義務は免除されません。ただし、所定労働時間内の深夜労働であれば時間外割増(0.25倍)は不要で、深夜割増の0.25倍のみが加算されます。所定労働時間を超えた場合は時間外割増も加算され1.5倍となります。

休日に深夜まで働いた場合の割増率は?

法定休日に深夜帯まで働いた場合、休日割増1.35倍 + 深夜割増0.25倍 = 1.6倍の割増率が適用されます。例えば時給2,000円の場合、休日深夜の時給は3,200円になります。なお、法定休日労働には時間外労働の割増(0.25倍)は重複しないため、1.35 + 0.25 = 1.6倍が上限です。

深夜残業代が支払われていない場合どうすればいいですか?

深夜割増の未払いは労働基準法違反です。以下の手順で対処できます:

証拠を集める:タイムカード、勤怠記録、給与明細を保管
会社に請求:まず人事・経理部門に計算根拠を確認
労働基準監督署に相談:会社が対応しない場合、最寄りの労基署に申告
弁護士に相談:高額の未払いがある場合は労働問題に強い弁護士へ

未払い残業代は過去3年分まで遡って請求可能です(2020年4月以降の賃金)。

管理職でも深夜残業代はもらえますか?

はい、管理監督者であっても深夜割増は支払われます。労働基準法第41条で管理監督者は時間外・休日労働の割増が免除されますが、深夜労働の割増(0.25倍)は免除されません。これは最高裁判例でも確認されています。「管理職だから深夜手当なし」は違法です。ただし、ここでいう管理監督者とは経営者と一体的立場にある者を指し、いわゆる「名ばかり管理職」は通常の残業代も請求できます。

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免責事項

このページは労働基準法第37条に基づいた一般的な深夜残業代の計算方法を解説する情報提供ページです。 計算例は173時間(法定月平均所定労働時間)を基準とした概算値であり、 実際の給与計算では企業ごとの就業規則、所定労働時間、各種手当の取り扱い、 変形労働時間制やフレックスタイム制の適用有無により計算結果が異なる場合があります。

また、深夜割増率の適用対象や計算方法について不明点がある場合は、 所属企業の人事・労務担当部門、社会保険労務士、弁護士、 または最寄りの労働基準監督署にご相談ください。

最終更新日:2026年2月 | 参照法令:労働基準法第37条、同法施行規則第20条